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特色魔法学校というのは多分この周辺ではトップの学校なのだろう。そこに入学した生徒で最高の属性数はたったの十一魔属性?
私は選択の時、一体なんと言っただろうか。
記憶をたどり、詳細までもを思いだす。
私は、面倒だから、とりあえず……全てと言ってしまった。
「ど、どうしたの……急に顔を青くして。も、もしかして気分が悪い!?」
「大丈夫、そういうのじゃないから。ただ私の力が弱かったらどうしようとちょっと思っただけ」
「大丈夫よ。魔属性が少なくても能力が強ければなんとでもなるの」
あぁ、もうだめだ。
能力も欲望に任せて全部選んでしまった。
というか私の目に浮かぶこの文字の量。軽く卒倒しそうだ……。
私が軽く頭を痛めながらゆっくりと能力を見て回ると、
(ん、〈統合〉?)
能力を見ると、いくつかの者を合体させ今までなかったものへ進化させる力らしい。
私はこれを見て即座に思い至った。
「よし、全部合体させよう」
「何の話?」
「いいいいや、なんでもないよっ!?」
しまった。つい口が軽くなっていた。
私はお昼寝をしたいから一人にさせてと嘘を吐き姉を部屋から出し、私は能力の一覧をすべて詳細の状態にして展開する。
内容の似ているものを並べ替え、それらを〈統合〉する。
そしてある程度まとまったらまた似た者通し並べて再度。
その結果、100個強あった能力は、たったの6個へ変わった。
・〈自己並列思考〉
己の人格を何個もコピーし各自で演算をするため、演算速度は未知数。脳が焼き切れる計算を容易く可能にする。
・〈想像模倣〉
頭の中で想像した事象を現実上で完全再現する。しかし未知の能力を行使しなければならない事象は発生できない。
・〈概竄改戻〉
情報媒体のデータを世界全体で改竄する。変えられたデータはよほどの不備がない限り一生バレることはない。
・〈四星召喚〉
神話級の生物、【赫雀】、【葵竜】、【虎雪】、【虞玄】を呼び出せる。好かれるかはその時次第。
・〈彩色神雷〉
全てを貫く根源の雷を操ることのできる能力。攻撃には灼雷、防御には青雷か翠雷。移動なら幻雷と紫雷、威力増強の夕雷がある。
・〈精霊法則〉
本来は精霊しか持ちえない最強の遺伝能力。神の力の鱗片を行使する権限を得られる。
まとまったはいいが、結果的にダメになった気がする。
ただでさえ魔属性が全てに適性があるという化け物性能の上にこの能力の数々。
もう手の付けどころのないただの危険生物である。
目先だけでは普通に見えるためにも〈想像模倣〉以外は他の人から認識されないようにしないといけない。
多分私の能力は周辺の人間よりもはるかに強大な能力だ。それが知られれば面倒なことを引き受けさせられてしまうだろう。
平凡な日々を送れるようにする。それが私の第一目標なのだ。
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