花天月地

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賀上くんとお付き合いを始めたことは、妹の奈緒と、紗也華にはすでに報告していた。 紗也華は付き合う前に色々と相談していたこともあり、「おめでとー!!」と手放しに喜んでくれ、「今度お祝いしよう!」と、ケーキを食べに行く約束もした。 けれど奈緒はというと・・・、以前、「そのバンドマンはやめた方がいい」「おねーちゃんのヒモになる気じゃないの!?」と言っていたこともあり、「大丈夫~?」と、かなり心配そうだった。 (やっぱり、年下のバンドマン、ていう部分が引っかかってるみたいなんだよね・・・) 偶然にも、賀上くんとは同じ会社であったこと、仕事ぶりは真面目で紗也華も評価していることなども話したけれど、奈緒としてはいまいち信じられないようで、「心配だから今度会わせて!」と言ってきた。 奈緒には琉花のお世話もあるし、今度のライブに誘うことはできないけれど・・・、まずは、賀上くんに奈緒と・・・妹と会ってくれるかどうか相談してみようと思う。 (・・・あとは・・・、マサさんのお店にも行かなくちゃ) 私がお店で迷惑をかけてしまった翌日・・・賀上くんと付き合うことになった日に、マサさんには、前日のお詫びとお礼を兼ねて電話をかけた。 すると、「いいのよ~」「こちらこそ飲ませすぎちゃってごめんねえ」と優しく言ってくれた後、「今度はサクちゃんと2人で来てね~!」と、とても嬉しそうに言われたのだった。 (賀上くんと付き合い始めたことは、まだ伝えてはいないのだけど・・・) マサさんには、全てお見通しなのかもしれない。 なんだか恥ずかしいけれど、マサさんには直接お礼を言いたいし、料理ももちろん食べたいし・・・、ライブが終わったら、賀上くんと予定を合わせて一緒にお店に行こうと思う。
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