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それからの時はあっという間に感じた。
亮太とはクラスが同じでしかも累が前、亮太が後ろの席でよく話すようになった。
様々な行事や出来事を得て二人の距離はぐっと縮まっていき、夏休みが終わった二学期の初め。
葉が落ち始めた八重桜の木の下で亮太から告白を受けた。
「出会った時からずっと好きでした!俺と付き合ってください!」
真剣な眼差しで告白の言葉を告げられ、きっちり90度の角度で頭を下げる亮太に累は嬉しさとおかしさが込み上げながらも、快く返事を了承した。
「よろしくお願いします…!」
「本当か?!夢じゃないよな!?」
亮太が自分の頬を抓る。
「痛った…夢じゃない……まじか…っ」
「夢じゃないよ。現実」
抓った痕が残る頬を優しく撫でる。驚き顔から顔が赤くなっていく様子に愛しさが込み上げてくる。
累も夢と現実が行ったり来たりしてるような感覚でだけど、幸せで。
初めての事にお互い戸惑いながらも二人の道を歩んでいくそう思うと顔がにやけてしまうのが止まらなくなった。
「何にやけてんの〜」
「別に〜」
そのまま笑いあって手を繋いで帰り道を歩く。
ごく自然の行為が嬉しかった。
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