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「ヤな夢見ちゃった……」
まだ薄暗い部屋で目を覚ました妃奈はベッド脇に置いてあるスマホに手を伸ばす。
可愛い猫のロック画面に表示される時刻は5時50分。
そのままロックを解除し連絡用アプリをタップする。
久しぶりに見た夢は、妃奈の人生において圧倒的ワーストに入る高校の卒業式後のあの出来事。
そんな夢を見たのはきっとこの所為だと妃奈は思った。
連絡用アプリにある青海高校上京組のグループ。
青海高校は妃奈の母校である。
そんな母校の上京組でつくられたグループ内に書かれた文字。
『羽山高秋がグループに参加しました』
その名前を見るだけで妃奈の眉間に皺が寄る。
はあっとため息をつきながらベッドから降りると、熱いシャワーを浴びるべくシャワールームへ向かった。
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