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進路指導室を後にした俺は、先ほどしまったケータイを再び取り出し、連絡先から「佐久間さん」を選んでコールする。
この後近所のファミレスに移動し、彼女に吹奏楽について教えてもらう約束なのだ。
「もしもし? うん、今終わったよ。うん、うん……それじゃ、また後で」
電話を切りかけたところで、俺は「あっ」と佐久間さんを引き止める。一つ、大事なことを忘れていた。
「一緒に居るならアイツも連れて来てよ。……誰って? もちろん、俺たちの『旦那』に決まってるだろ」
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