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本当は毎日でも会いたい。もちろんそんなことは無理だとわかっている。自宅、学校、病院の三拠点を親の許可を得て行き来すること自体はできても、毎日となると甚だ無謀だった。
そんな中、桜が半分ほど散った頃にようやく美桜のいる病院へ行くことができた。
私が静かに病室のドアを開けても「美桜」と囁くように名前を呼んでも、上半身を起こした彼女は壁を見つめたままだった。
すぐ脇の椅子に腰かけ、彼女と目線の高さを合わせると初めてこちらを見てくれた。
「美桜」
平常心を装って声をかける。数秒間があって彼女の瞳が揺れた。
「あ、葉摘。来てくれたんだ」
声に覇気はなかったものの、頬がほんのり桜色に染まった。
「うん。来たよ」
予想より彼女の病気が進行しているようで、どう言葉を続けていいかわからなかった。口角を上げようと口元に力が入ってしまう。
相手は私の内心に気づいているのかいないのか、再び壁を見つめた。
──美桜の病気が悪くなってるみたいで、私は心配だよ。
──早く美桜の元気な姿が見たいな。
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