絶望ゲーム

4/10
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
 扉の向こうには、チェックの壁紙が広がっていた。向かい合った椅子が二脚見える。椅子の前には高性能そうな機械が置いてあり、機械から線が伸びていて、線の先にはヘルメットのようなものが付いていた。  見るからにデスゲームじゃないか……。それを見た瞬間、俺は絶望した。冷や汗が出て、心臓が早鐘を打った。 「先輩、なんすかね、これ」すでにその部屋に入った佐々木が呑気に言う。  俺もその部屋に、恐る恐る足を踏み入れた。  六帖ほどの長方形の部屋に向かい合った椅子が二脚、機械、線、ヘルメットのようなもの。天井を見上げると、小さな穴が何個か空いている一角があった。スピーカーのようだった。  俺がそれを見つけると同時に、そのスピーカーのような穴から「ジーーー」とノイズのような音が流れ、その後に「ピーー」と金属音がしたかと思うと、「大田正明、佐々木和也」と俺たちの名が呼ばれた。明らかに機械音声だった。 「おはようございます。早速ですが、ただならぬ状況であることはご理解いただいていると存じます。気になっているであろうこの部屋から出る方法は一つ。部屋に置いてある椅子に座り、付属の帽子を被った状態で、とあるゲームをすること。従う従わぬは自由ですか、従わぬ場合は二人して飢え死にとなります。部屋を脱出する方法などは考えないでください。無駄ですから。私の言っている意味が分かりましたら返事をしてください」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!