拒絶 sideL

1/13
前へ
/488ページ
次へ

 拒絶 sideL

 二週間後、美玲はちゃんと練習してきてくれて一緒にセッションした。  彼女は自分の演奏には全然納得できていないようだった。そういう友達関係を楽しんで、少しずつ美玲との関係を深めていった。お茶したりピアノを奏でたり電話をしたり、友人関係はしばらく続いた。  美玲と関わるようになって、僕の音色は色彩豊かになっていった。  海外でのコンサートがあり、美玲とは会えない日々を少し送っていた。  その日はコンサートが終わってホテルで一息ついていると、電話がなった。美玲からのビデオ電話だった。ソファーに座って出ると美玲が画面に顔を出している。どこかの公園にいるみたいだ。 『レオンくん、いまホテル?』 「そうだよ、美玲は何してるの?」 『一緒にきた公園きてて、散歩してるの』  そういって景色を見せてくれた。入り口の噴水がみえて、そこは待ちち合わせした場所だった 『楽譜、借りるのにレオンくんの家に寄ったの。家政婦さんに貰っておいたよ。最近忙しそうだけど、あたしは練習しておきたいから』 「あぁそうか……」 会いたかったな。
/488ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加