2-1 オレのかわい子ちゃん

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2-1 オレのかわい子ちゃん

②内田駿介28歳 前作に登場した内村と入れ替わりで転勤してきたのが彼。 転勤者の紹介で初めて見た時から、 どうにかして手に入れたいと攻撃的な俺の一面を剥き出しにさせた。 160センチそこそこで色白一重。 いたって普通体系で、 童顔のせいかちょっと間違えば高校生くらいに見えてしまう。 どこか女性的な喋り方、 でも少しガニ股で、 外見的には子供っぽさをまとわせているが、 実はかなり男っぽい中身なのかと俺の理想像を妄想した。 内村同様、 同フロア内でも他部署の為なかなか日常的なつながりはなく、 時間帯も重なる時間は少ない。 内村とは違い喫煙所でのきっかけ作りも出来ない。 全く交流がないわけではないので、 彼が年下で可愛らしいことを利用して、 俺はイジることにした。 まぁちょっかいに近い感じ。 「ウッチー!おはよ」 「おはようございま〜す」 いつも甘えたような、 ちょっと喘ぎ声を出すような、 そんな声が聞きたくて俺は大した用もないのに声をかける。 「ウッチー、最近遊んでるか?」 男同士でたまにやるように相手の股間をちょんちょんと触ってニヤけながら聞いた。 「全然ですよ〜」 「もったいないな」 「何がですかー?」 「ウッチー、可愛らしいのに」 「可愛くてもダメなんですよー」 「自分で可愛い言うか?笑」 「ですよね!笑」 こんなやりとりを日々続けて、 彼との距離を縮めた。 同じフロア内でなかなか話が出来ない時は、 遠くから手を振って、 身振り手振りで遊んでるかどうかからかった。 いつも軽く赤面しながら、 股間を押さえて全然ってポーズをしてくる。 そんな姿がたまらなくなる。 酒を飲まない彼は体格に寄らず大食漢な情報を掴み、 ある日飯に誘った。 仕事終わりに2人で食べ放題に行った。 俺もまあまあ食べる方なので、 中華や寿司や肉料理などたっぷり食べて時は過ぎた。 「ウッチー、めっちゃ食うな」 「まだいけますよ!笑」 「冗談だろ?」 「ラーメン行きます?」 「勘弁してくれ」 「嘘ですよー」 「よかった…」 「甘いもの食べたいな」 「ちょうどよかった!家にケーキある」 「食べたーい」 甘えた声を出す。 作戦成功。 タクシーで俺の家まで着く間、 後部座席で2人は少し太ももが触れていた。 そこから伝わる温もりで俺は既にムラムラが収まらなかった。 家に着いたのは9時過ぎ。 テーブルに向かい合わせで座り、 用意しておいた5種類のケーキを並べた。 「好きなの食べな」 「いいの〜?」 「全部食べてもいい」 「三井さんは?」 「いらない」 俺はテーブルに両手で頬杖をつき、 ウッチーの顔を眺めながらにっこり笑った。 「やった〜!」 俺は黙って食べる姿を見続ける。 「三井さん、はい!あ〜ん」 「???」 おもむろに俺に食べさせてきた。 「うまいでしょ?」 「お、おう」 「はい、あ〜ん」 「もういいよ〜」 「これだけ食べて!」 なんか、 普通の男女カップルみたいなやり取りになってる。 「なんかさ、彼女みたいじゃね?」 「え〜っ?」 「何でもない」 食べる姿も、 喋る感じも、 ニコニコ笑うと無くなっちゃう目も可愛くて、 見てるだけでもほっこりする。 全部食べ終わり、 俺は片付けと洗い物をしてると、 「僕、拭きますね」 「ありがとう」 さりげない手伝いに思わず抱きしめたくなるのをひたすら堪えていた。 それからYouTubeを見て過ごしていると、 眠そうにあくびをして、 次第にウトウトしだした。 テーブルを挟んだ状態から、 俺はウッチーの後ろ側に座り、 もし眠ってしまっても後ろに倒れてしまわないように備えた。 やっぱり後ろにのけぞるようになってきたので俺はそのまま支えて、 膝枕の状態にした。 「好き…」
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