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13、手伝い
生まれて初めて経験するとてつもない羞恥に耐えきれず、涙がぼたぼたと僕の情けない下半身をめがけて落ちていく。
まだ中からは染みてなかったのに、僕のズボンは結局濡れる運命だったらしい。
「ちょ、泣かないでよミチオ、こんなのただの生理現象なんだから。視聴者が勃起の一つや二つしてくんなきゃ、この女優さんと男優さんが可哀想だろ?」
キヨの言う事はもっともだ。でも僕がこんなに恥ずかしいのは、キヨは口笛でも吹けそうなくらい平気な顔をしているのに、僕だけがこういう状態になっているからだ。
「なんで……キヨは平気なの?」
もしキヨも僕と同じ状態だったら、僕もきっとここまで情けない気持ちにはならなかっただろう。
キヨがそんなに涼しい顔をしてるから、僕は――
「俺のことは気にしないでいいよ。俺さ、女の裸とか見ても勃たないんだよね」
「え?」
たた、ない? ――えっ?
「それよりミチオ、ここ張り詰めてて痛いだろ? 俺の前だと恥ずかしくて出来ないなら、手伝ってあげるよ」
「は!?」
なんでそうなるの!? キヨがいるから出来ないんだから、普通別の部屋行くとかそういう選択肢じゃないのか? 僕間違ってる?
確かにここはキヨの部屋だけど、この状態の僕が動けるわけないのに。
キヨの発言に僕が躊躇っている間に、キヨはさっと僕の背後に回りこむと僕を自分の長い足の間に閉じ込めた。僕らは20㎝くらい身長差があるから、僕はキヨの足と腕の中にすっぽりと抱え込まれて身動きが取れなくなった。
「えっ、ちょっとなに!? キヨ! なんなの!? 放してよ!」
「だから、お手伝いだよ」
「手伝いって、何の!?」
言ってる間に、ガチャガチャとベルトをあっという間に外され、ジッパーを下ろされた。
「ふふっミチオ、相当我慢してたんだね。我慢汁がパンツに染みてここだけ色が変わってるよ?」
キヨは愉しそうにそう言うと、僕のお気に入りのグレーのボクサーパンツの上から色の変わっている部分を指先で優しく撫でるように突っついた。
「ひっ!?」
そのせいで、パンツの中のその部分だけがヌルヌルになっているのが僕にも伝わり、恥ずかしすぎて身体を捩りながら叫んだ。
「や……やだ! やだよキヨ、なんで!」
「こーらミチオ、暴れないの」
「あぁっ!?」
いきなりギュッと強い力で、パンツの上から性器を握りこまれた。まるでそこを人質に取られたみたいな気がして、僕は恐怖に固まって動けなくなる。
キヨは、僕の耳元で囁くように言った。
「出来るだけ優しくしたいから……ね?」
それって裏を返せば、僕が暴れたりしたら痛くするってことだろうか?
「やだ……キヨやめて、こんなのおかしいよ」
「おかしくないよ、気持ちよくなるだけなんだから。ほら、ミチオ前を見て? あの二人はそろそろフィニッシュみたいだよ」
「やだ、やだよ、離して……あっ! やぁっ」
親指で先端の部分をにゅるにゅると擦られて、思わず腰が引けてしまった。腰が引けたところで、後ろにいるキヨからは逃げられないのだけど。
「ふふ……ミチオ、可愛いね」
テレビの中では男の腰の動きが更に急速になっていて、パンパンという擬音と女の人の叫ぶような喘ぎ声が部屋中に響いている。
けど、僕はそれどころじゃない。僕は今親友に、直に性器を握られて上下に擦られているんだ。
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