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14、普通のこと
キヨはおかしくないって言ったけど、どう考えてもおかしい。 だって僕たちは男同士で、その上友達なのに。
それなのにこんな、こんな……
「ミチオ、気持ちいい? どんどん我慢汁が溢れてきて俺の手を汚してるよ」
キヨは楽しそうにそう言いながら、僕の性器からタラタラと流れてくる我慢汁を巻き込んでリズミカルに擦っている。グチュグチュという卑猥な水音が僕の耳にも届いて恥ずかしくてたまらない。
「あぅっ……あっ、やだ、やだあぁ」
同時に陰嚢もやわやわと優しく揉みしだかれて、自分でするのとでは全く違う強刺激と快楽に僕の理性と思考力は徐々に奪われていく。
「いやだ? 気持ちいい、でしょ? 身体はこんなに正直なのにおかしいことを言うんだね、ミチオは」
キヨは僕の耳の中に直接吹き込むように囁くと、突然性器を擦るスピードを速くした。
「ひぅっ!? あっ、あぁっ、あぅっ!」
「ミチオ、いつでもイっていいよ。イク時の顔、俺に見せてね」
頭の中が、徐々に真っ白になる。
「やだぁキヨ、おねがいだからはなして! はなしてよぉ! もう出ちゃう、精液が出ちゃうからぁ! キヨ、おねが……あぁっ!!」
……イって、しまった。
親友の手で、その腕の中で……。
こんなの……うそだ。
「ミチオのイキ顔、最高に可愛かったよ。ミチオ、気持ちよかったでしょ?」
「なんで……? キヨ」
射精したあとゆっくりと我に返り、僕は次々と溢れてくる涙を拭いもせず、僕を抱きしめている親友に問いかけた。
「なんでって、何が?」
キヨはきょとんとした顔をしている。何故僕が泣きながら怒っているのか、その理由が全然分かってないみたいだ。
なんで分からないの?
「こんなの酷いよ! 僕は何度も嫌だって言ったのに!!」
それとも、僕がおかしい?
「友達同士で抜きっこするくらい普通のことだよ。気持ちよかっただろ? なんだかんだ嫌がってたけどミチオ、最終的には俺の手でイったもんね」
「っ……」
事実、気持ち良くされたことを思ったら僕はそれ以上反論出来なくなった。
キヨは僕を足の間に挟んだまま、僕の精液で汚れた手をティッシュで綺麗にしている。その仕草がいたたまれなすぎて、僕は俯いてしまった。
目線の先には、僕同様にすっかり項垂れてしまっている僕自身があった。それを仕舞いもせずにじっと見つめて、僕は考える。
ふつう……? これって、普通のことなの?
他の人も男同士でこんなことしているのだろうか? 僕にはキヨ以外の友達がいないから分からない。
こんなこと他の誰にも聞けないから、確かめようがない。
「それならミチオ、俺のもする?」
「え?」
キヨはそう言うと、僕のお尻に何か硬いものをゴリッと押し当ててきた。
「!?」
キヨも勃起してる!?
自分のことに夢中になりすぎて、気付かなかった。
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