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竹野銀世という名の「おじさん」は、僕の彼氏だ。
彼が昭和何年生まれなのか、僕は覚えていない。西暦から年齢を引いて、それをスマホで年号に換算するくらい手間がかかる。
「だから、あれもこれも、時代に合わせて変わっていくの。焦らずゆっくり待ってなさいよ」
平成生まれは、と付け足される。もう三十路前なのに、まだまだ子供扱いだ。
三十路手前の男と、五十路も半ばを過ぎた男の二人旅。カップルなんですと、もし言ったとしても、誰が信じるだろう。
銀ちゃんの言った通り、親子くらい年の差のある僕らは、世間からどんな目で見られているのか。そんな事を考えるのすらバカバカしいほど、僕らにとってはこれが普通なのに。
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