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「ああ、もう無理。銀ちゃんのせいだから」
きちんと宣言して、体を反転させた。脇の下に手を入れて持ち上げる。銀ちゃんは最近、脇毛も薄くなったようだ。
「えっ!」
驚いて声を出すのが聞こえた。
浴槽のへりに座らせて、脚の間に体を入れる。ちっとも反応していないのが目の前に垂れ下がっている。口に含んだ。一気に奥まで咥え込む。
「待って、こら、氷治!」
焦った声が浴室に反響する。片手で顔を離させようとしてくる。僕は片腕で腰を抱え込んで、首に力を込めて逆らう。そうしながら無理やり吸った。
頬で圧迫して、舌で裏側を上下に擦る。その動きを何度かすると、少しだけ硬くなった気がした。
銀ちゃんが淡白と言うより、年齢相応なのだろう。死ぬまで現役、お盛んな人もいる。銀ちゃんと出会うまで、付き合うのは同世代だったから本当のところは知らないけれど。
「ごめん、氷治、悪かったって……」
往生際の悪い銀ちゃんは一向にその気にならない。僕も往生際悪く続ける。
体だけが目当てで付き合っているわけじゃない。無いなら無いで構わないし、銀ちゃんの年齢を知った時から、予想も覚悟もしていた。
けれど今は、僕の言うことを聞かずに、からかってきたからその仕返しだ。
「ねぇ、きついでしょ? しなくていいから、ほんとに……」
「僕がしたいの」
一度顔を離して言い返し、右手も使う。もう片方の手は銀ちゃんの腿に置く。
下の毛にも白髪が混じり始めているのを、初めて見た時はさすがに驚いた。その中で項垂れている中心が、何だか自信を失っているように見えたのも覚えている。
「明るいと恥ずかしいから……」
銀ちゃんが言い訳のように言ってくるが、
「そんなの、今どき女の子でも言わないよ」
と返して、また口に含んだ。手も使いながら、首を前後に動かす。
味も臭いもないし、きついという事はない。
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