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「じゃ、情報収集に行ってきます。総司、行くよ。」
「…道場で、誠奈から一本取ってからなら行く。」
と総司は駄々をこねた。
絶対に行く気ないじゃん…。
私は既に、呆れ気味。
助けて、と、新誠先生に視線を送る。が…。
「仕方がないなら、付き合ってあげたらどうだ?」
こういう時に限って、私の父さん使えないっ!
私は、直ぐに情報収集に行くことに諦めて、総司の稽古に付き合うことになった。
「じゃ、真剣勝負ね。」
「そのつもりだ、誠奈。」
真剣勝負は、本物の剣で戦うくらいの気力で戦う。だから、普通の試合だったら浅い一本でも致命傷だったら負け、ということ。
私が真剣勝負をすることが出来るのは、総司、トシ兄、勇兄、新誠先生、誠太先生、華奈先生くらい。後は、一、かなぁ?
最近、一の力がいつもに増して強くなっているから。それ以外の人は、打つ時に少し手加減しないと、危ない。
実は昔、私、小三郎をケガさせたことがあるんだよね、力が強すぎて…。
ってことは置いておいて、私は防具を付けて目の前にいる総司をにらみつける。
審判のトシ兄が
「始め!」
と言うと、私の視界には、総司しかいなかった。
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