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1.新選組と歴女
雨が降っている中、とある道場の中は熱気と湿気、元気とやる気で溢れている。
その道場の前には、少女が一人、部屋着のまま立っていた。
いい音しているな~。誰と誰が戦っているんだろう。
と思いドアを開けると、ちょうど人が立っていた。
「あっ!」
「お、誠奈ちゃんいい所に来た!さ、上がって~っ!」
「え、あ、ちょっと左之さん⁉」
私、道着きてないよ!バレたら父さ、じゃなくて新誠先生に怒られる!
と、さんざん抵抗したけれど、左之さんの肩に担がれて道場の中に入れられた。
「お、誠奈じゃねえか。ヤル気になったんだな。」
「いや違うってスケ兄!」
全否定するに決まっているでしょ!
カラカラッ
ひぃぃぃい!この殺気、もしや・・・。
「・・・・・・・と、父さん・・・・・・。」
ヤ、ヤバイ、怒られる・・・っ!
「誠奈。」
「はいいぃぃ!」
やっぱり怒られる!左之さんめ~っ!
「小六と中一を連れて、母屋の広間に来い。二〇分後にな。」
「はい!」
カラカラッ
さ、去った。よかった~。
緊張が解けて、私は膝から崩れ落ちた。
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