告白

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告白

 あれは、確か五年前の春だった。 僕はまだ中学三年生で、君は高校三年生だった。二人とも今年卒業で、もう進学の決まっていた晴夫くんは僕のミニ家庭教師をしてくれていて、家が隣同士だった僕らはよく一緒に勉強をしていた。というより、僕が教えてもらっていた。 ある日、放課後に一緒に勉強をした後、お菓子をつまみながら君が言った。 「あの…さ…、優介くんって、好きな人とかいたりする?笑」 冗談めかして訊いてきた時、実は僕はちょっとだけ期待してしまったのである。 恥ずかしいことだ。とほほ… 「えっ…!?いないに決まってんじゃん!笑」 僕が笑い飛ばすと、君も「だよね~」と笑った。そして、少し恥ずかしそうにはにかんで言った。 「実はさ、ほら、僕達もう卒業じゃん?だから、その…好きな人に告白しようと思ってるんだよね…」 その時、僕は上手く笑えていなかったと思う。いつもヘラヘラしている僕だけど、口角が上手く上がってくれないのだ。 「そ、そうなんだ…!じゃあさ、僕もついて行くよ!告白してるとこ見たいし!笑」 「ええ~、振られたら恥ずかしいじゃんか~」 そんなわけないじゃんと思った。君は凄く凄く素敵な人で、周りも公認の美男子なんだから。しかも、その好きな人って、多分部活の試合とかにも来てる女の子でしょ? 両思いだろ。なんて思っていた。
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