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第6話「1.5周目」
1.5th round
心乃香は浴衣の帯をスルスルと解き、そのまま浴衣を脱いでハンガーに掛けた。乱暴に頭の飾りを取ると、そのまま自室のベッドに倒れ込んだ。
お風呂に入らなければ、せめて慣れない下駄を履いて、皮が剥けてしまった足の治療をしなければと思うのに、体が言う事を効かなかった。
(少しだけ……少しだけ休ませて……)
心乃香は何かに言い訳する様に、そのまま意識を手放した。
***
7月14日(月)
やっと八神から解放されたと思ったのに、気分は全く晴れなかった。別にドッキリを返した事を後悔しているわけでは無い。寧ろ報復しなければ、自分の自尊心は崩壊してた。
それなのに……自分は本当は、どうしたら良かったんだろう?
頭からシャワーを浴びながら、心乃香はそんな事をずっと考えていた。
鬱々とした心持ちで、心乃香は学校に向かった。朝、シャワーを浴びて、昨日の足の怪我の治療をしていたせいで、この日は登校するのが大分ギリギリになってしまった。
教室には、もう殆どの生徒が登校している様で、大変賑わっていた。賑わいすぎる程だった。いや賑わうなんてレベルではなかった。異常な程騒ぎになっていた。廊下にいても分かる程だ。
教室のドアを開けると、担任がもう教室に来ており、周りの生徒たちから質問責めにあっていた。質問をしていない生徒の中には、泣いている子すらいるのだ。
何かあった――心乃香はそう感じた。
訳が分からず、心乃香は何とかクラスメイトたちを掻き分けて、自分の席に向かった。途中「マジかよ!」「嘘でしょ⁉︎」「信じられない、こんな事」などと言う、悲痛な叫びが聞こえてきた。
担任は騒ぐ生徒を落ち着かせ、何とか生徒たちを席に着かせた。
「もう知っている人もいると思いますが、昨日、八神斗哉君が亡くなりました」
***
八神斗哉が亡くなった。昨日の夜、車に轢かれたそうだ。
昨日の夜――あの祭りの帰りだろうか?
そんな……
そんな……嘘だ……
心乃香は目の前が真っ暗になった。
***
(……)
心乃香が目を覚ました場所は保健室だった。どうやら倒れてしまったらしい。どのくらい気を失っていたんだろう?
心乃香は、ベッドから起き上がろうとしたのだが、全く体に力が入らなかった。
仕方がないので、心乃香はそのままベッドで休ませてもらう事にした。
八神斗哉が死んだ……信じられない、嘘だ。こんな事、嘘だ。
昨日の夜――きっと祭りの日、自分と別れた後、帰る途中で轢かれたのだ。
どうして……どうしてこんな事に……
あの日、自分と祭りなんかに出掛けなければ、車に轢かれる事はなかったのだろうか?
違う……違う、私のせいじゃない! こんなのは偶然だ!
心乃香は必死で、何かから逃れようとした。その時、八神と別れた時の事を思い出した。
『あんたたちみたいなの見てると、虫唾が走るよ。他人の気持ちを全く想像できない、平気で人を傷つける悪魔みたいな人間、本当に死んでほしい。私を馬鹿にしたあんたたちの事、絶対許さないから』
そうだ……私は八神に「死んでほしい」と思っていた。確かにそう言った……。
***
翌日には、八神斗哉の通夜が行われ、数日後に彼の葬儀が行われた。
クラスメイトの葬儀だ。だが私は行かなかった。行けなかった。他にも八神の死がショックで参列出来なかった生徒も何人かいたし、特に咎められる事もなかった。
確かにショックではあったが、私のショックは、他の生徒の様な「悲しみ」からではない。
もしかしたら、八神の死は自分のせいかもしれないという懸念から来るものだ。
「死ねばいい」と思っただけで、実際自分が手を下した訳ではない。誰だって一度くらい、誰かに対して「死ね」と思った事があるのではないだろうか? その言葉を発した事があるのではないか?
人間なら普通の事だ。特段「悪」ではない。たまたま死ねばいいと願った時に、偶然が重なって、相手が死んだだけの事だ。
心乃香は、思う様に動かなくなった体をベッドに預けたまま、脳だけを動かして、必死にそう思い込もうとした。
***
数日後、心乃香の体は、付き物が落ちた様に動く様になり、普通に学校に通える様になっていた。
久しぶりに来た教室内は、まだ何処か暗くて、皆必死に日常に戻ろうとしている様に感じた。
特に、菊池と五十嵐の項垂れ方は酷かった。もっと軽薄なイメージだったのに。私を告白ドッキリに嵌めようとした、ロクでもない連中だ。自分にとって何の関係もない赤の他人の事なら、何とも思わないだろうに――身内の事となると別なのかと、心乃香は少々呆れた。
大丈夫だ。もうすぐ夏休みになる――長い休みの間に悲しみの感情も薄くなっていき、二学期になる頃には、クラスメイトたちも、何もなかった様に生活できるだろう――
心乃香は空席になった、八神の席を見てそう思っていた。
***
だが夏休み手前になっても、八神の死を悼む「空気」は一切無くならなかった。
クラスメイトたちだけでなく、八神の死の事は学校中で噂になっていたし、自分はそれまで全く知らなかったのだが、八神は大変交友関係が広く、葬儀の参列者はかなりの数だったらしい。
自分のした事を忘れさせないぞと、心乃香は八神が死んでからでも、責めているように感じた。まるで呪いだと思った。
実際、八神がそう思って死んでいったかは分からないが、心乃香にはそう感じられた。
「殺される覚悟の無いものに、攻撃する資格はない」
あの祭りの日、感じていた事がまさに形になってしまった。因果応報――そう思うと、心乃香は笑いすら心から込み上げてきた。
***
ここ数日で、八神について思った事がある。自分は八神が大嫌いだったが、別の他人からすれば、そんな事はなかったという事だ。
クラス内でも目立つ存在だったし、人当たりも良かったのか、かなりの世渡り上手だった様だ。自分だって告白ドッキリの事が無ければ、もしかしたら普通に友達になれたかもしれない。
いや、それはやはり無理だろう。自分と八神は住んでいる世界が違いすぎた。
八神は友人も多かったが、比例する様に敵も多かった様だ。
これは、八神の交友関係の線引きによるものだろう。相手にによって態度を変えて接するという事だ。目上の人間や地位の高い人間、自分に有益な人間に対しては優しくし、価値のない見下した人間には冷たく当たる。
私はこういう交友関係に対する線引きが、許せないと思っていた所がある。そんな態度は「不誠実」だ「悪い事」だと思って生きてきたし、実際、道徳的観念から言っても、大体の日本人なら、自分に同意するだろうと考えていた。
本当は、腹の中でどう考えていようともだ。
だから自分は誰に対しても「同じ態度」で接してきた。親にも姉妹にも、クラスメイトにも先生にも……
昔、古文のテストで95点をとった事がある。1問間違えたのだ。だが、最新の解釈では私の解答が正しかった。私は古文の先生に食ってかかった。「先生の方が間違っている。私が正しい」のだと。相手は年配の先生だった。自分の考えが一番正しいと思ってる世代だ。私の指摘を決して認めなかった。
私はたとえ相手が年配だろうが、偉い人だろうが、逆に小さい子供だろうが、相手によって態度を変えない。
古文の先生は、その後間違えを渋々認めたが、その事件以降、私への態度は大変厳しいものになった。でも私は、先生に間違いを指摘した事を後悔してないし、私のした事は今でも「正しい」と思っている。
この性格によって、周りの人間と馴染めないのも分かっているし、自分を曲げてまで、他人と関わりたくない。そう思っていた。
この話を聞いたら、恐らく八神の様な人間なら「そんな1問の為に、目上の先生に食ってかかって、目をつけられるなんて馬鹿みたいだ」と言うだろう。きっと八神ならその1問を気にしないだろうし、95点ならいいじゃないかと、呆れて笑う気がする。
ただ私にはそれが出来ないし、八神には簡単に出来るのだろう。
この差……この差が「勝者」と「敗者」な気がした。
自分は、男の前だと露骨に態度が変わる安西先輩や、交友関係に線引きする八神を見下していた。そんなのは不誠実だ、悪だと。
でも本当にそうだろうか?
現にこの二人は沢山の交友関係があり、人生が楽しそうで、正に「勝者」なのだ。
別に自分は、その様な交友関係が欲しいとも思わないが、世間から見れば自分の方が圧倒的「敗者」だ、「弱者」だ。
そう考えると、自分の中の「正義」は別として、彼らはこの世知辛い世の中で、「線引き」というスキルを巧みに使いこなして生きてきた。
処世術なのだ――
そもそも悪とか正義とか、で括るのがおかしいのだ。そのどちらでもない。そんな次元の話ではないのだ。生き方が違うだけ――それだけだ。
心乃香はその考えに至り、自分に絶対出来ない生き方をしてきた八神を、凄い奴だったんだと思った。
ただ、自分には真似できないし、そうなりたいとも思わなかった。
***
心乃香は夏休みに入り、久しぶりにあの祭りの行われた神社まで来ていた。
あの日、ここにはもう二度と来る事はないだろうと思っていたのに。あの長い階段を上がり、見晴台の頂上まで登る。疲れはしたが、祭りの日の様に足は痛くない。頂上から見下ろす景色は爽快で、夜の時とは全く違うその姿は、この前と同じ場所と思えなかった。
心乃香はお堂の陰に入り、暫く頂上からの景色をじっと眺めていた。
***
空が赤紫に染まってきた頃、心乃香は静かに頂上を後にした。今日はもう一つしなければと、思っていた事がある。
神社の敷地を回り込み、裏手に出た。見通しの悪い道路がある。その場所にはいまだ、沢山の花やお供えものがあった。
八神斗哉が車に轢かれた場所だ。
心乃香は、既にしおしおになり掛けていた、小さな花束をそこに備えて、手を合わせた。
自分がした事は、今でも間違ってないと思うし、八神斗哉の事は今でも大嫌いだ。それに自分が直接彼を殺したわけではない。
でも、彼が「死んでほしい」と思っていた事は本当だし、きっと自分はこれからも、彼の事が忘れられないだろう。
忘れられない……せめてそれが、彼に対する自分が出来る贖罪なのだと心乃香は思った。もうすぐ日が落ちる――
――その時
耳の奥で、チリンと鈴の音が鳴った気がした。
その後、背後から猫の鳴き声が聞こえて、心乃香は反射的に振り向いた。
黒猫がちょこんと道路に座っていた。
(……? )
猫は、顔を可愛らしく毛繕いしている。すると、瞳を開けて、こちらを見据えてきた。
「キミ、可愛いね。ボクが好きだった子に少し似てるよ」
何と猫が喋ったのだ。
***
心乃香は何が起きているのか分からず、もしかしたら日中の暑さにやられ、頭がおかしくなったのかもしれないと思った。
幻覚を見てる……もしくは自分は熱中症で倒れてしまい、これは夢の中なのではと思った。
だって……体が思う様に動かない。瞬きすら出来ない。人は熱中症でこんな簡単に死んでいくのかと、直ぐそこに「死」を感じた。
「死んでないけど……夢と思いたいなら、そう思えばいいよ」
(……)
「キミ、『如月心乃香』でしょ?」
心乃香は自分の名前を言い当てられ、ドキッとした。
(なんで……なんで知ってるの……しかも猫が)
***
「キミ、『八神斗哉』を弔いに来たの?」
「……⁉︎」
なんで彼を知ってるのと聞きたかったが、声が出ない。というか、今の状態が既になんだか分からない。どうなってる? 自分はどうしてしまったんだろう?
「もしかして、八神斗哉が死んだのは、自分のせいとか思ってる?」
「⁉︎」
「『絶対許さない』って言ってたもんね?」
「……なんで……なんで、知ってるの?」
「知ってるよ。大体の事は知ってるんだ。ボク神様だから」
そう言うと、黒猫はニヤッと微笑んだ。
「本当は、後悔してるんじゃない? 八神斗哉にあんな事言ったのを」
「なんで、アンタがその事知ってるの?」
「神様だからって言ったじゃん。それに、八神斗哉は後悔してたよ、キミにした事」
「……え⁉︎」
「凄く後悔してた。キミとの事やり直したい、なかった事にしたいって言ったんだ」
「……」
「だから、『代償』と交換で、願いを叶えてあげようと思ったんだけど……」
黒猫は小首を傾げて続けた。
「叶える前に『命』を持ってかれて、死んじゃった! まさか命を持っていかれるなんて、本当に運悪いよなー」
願いを叶えて貰おうとして……命を持っていかれた?
それで、死んだ?
(……)
心乃香は、その猫の言葉に思考が止まり掛けた。もし、もしもそれで命を落としたなら、自分との事を願おうとして死んだ事になる。
やっぱり、私の……私のせいだ……
心乃香は八神の死を聞いてから、一切流れなかった涙を初めて流した。そのままガクッと膝を折り、その場にしゃがみ込んだ。
「だから、キミのせいじゃない。あいつが勝手に死んだんだ」
そんな……そんな……嘘だ、嘘だよ……
涙が溢れて止まらない。心乃香は嗚咽を漏らし、そのまま泣き崩れた。本当に私のせいだ。私が殺しちゃったんだ――
あんな奴、死ねばいいと思ってたのに、さっきまで八神が死んだ事は、もう仕方がない事だと思っていたのに……こんな……
心乃香はその止まらない涙目の理由が、自分がしてしまった事への罪悪感からなのか、八神を失って悲しいのか、もう分からなくなっていた。
程なくして、黒猫が心乃香の膝をポンポンと叩いた。
「なんで泣くんだよ。キミのせいじゃないって、言いに来てあげたのに」
「……だって、私のっ……せい、だ……」
「どうしたら、泣き止んでくれるんだよ。女に泣かれると、ボクも弱いよ」
「……分から、ないっ、……よ……」
心乃香は、吐き捨てる様に嗚咽混じりでなんとか答えた。心乃香の嗚咽とひぐらしの鳴き声だけが、辺りに響いていた。
日が落ちた周りの景色は、どんどん闇に染まっていく。長い様な短い様な時間が流れた後、黒猫が心乃香の顔を覗き込む様に呟いた。
「……あいつが帰って来たら、もう泣かない?」
今思えば、それは悪魔の囁きだったのだ。
***
「こっちに来て!」
黒猫は、道路に面した長い階段を指刺した。
「……?」
さっきまで、こんな階段なかった気がすると、心乃香は不思議に思った。
あまりに不思議な事が次々と起こり、心乃香から悲壮感を奪っていく。
その階段を促されるまま登って行くと、古びた鳥居が見えてきた。こんな古い鳥居、神社の敷地内にあっただろうか? 心乃香はますます不思議に感じた。
その鳥居の先に古びたお堂があった。この神社の事は割と詳しいが、初めてくる場所だった。
「あいつは、願い事が叶う前に死んじゃったんだ」
「……願い事って、どういう事なの?」
「ボク、時間を戻せるんだ。ただ、人がその力を使うには代償がいるんだけど……」
「それで、命を持ってかれて死んだって言うの? 願いも叶えて貰えないで、代償だけ持っていかれた……まるで詐欺じゃない⁉︎」
「うっ! そう言われると、ボクも弱いんだけど、何が持っていかれるか、ボクも分からないんだ。代償はそいつが持ってる『一部』なんだけど、『命』も一部だから、運悪くそれを持っていかれちゃったんじゃない?」
うーんと、とんでもない事を言いながら、黒猫は小首を傾げた。
「で、私に何をさせたいの?」
黒猫は、その答えを待ってましたと言わんばかりに、ニヤッと心乃香に向き直った。
いつの間にか心乃香は、自然と心が座ってきていた。
「もう一度、代償を払えば、彼の時間を戻してあげる。ただその代償を払うのは、キミだよ」
神様なんて、嘘だ。こいつは悪魔だ。まるで同情する様に近づいてきて、人間を更に貶めようとしてる。
タダより安いものはない。返って、代価を支払わなければいけないと言われた方が、信じられるってものだ。
「私に八神の願い事の代償を、肩代わりしろって事?」
「話が早いね、その通りだよ」
黒猫が本性を表したと思った。だが、さっきの気味の悪い優しさを見せられるより、何倍もマシだと心乃香は思った。
***
「代償は、キミの何処かしらの『一部』だよ」
「分かった」
「え? 即答? ちゃんと分かってる? それはキミの『目』かもしれないし、『腕』かもしれないし、『内蔵』かもしれない……『心臓』や『頭』なら最悪死ぬし、八神斗哉の様に『命』って場合もあるんだよ? 怖くないの? 自分の願いを叶える為だって普通は躊躇するでしょ? それを他人の願い事の為になんて……」
「うるさいわね、自分の物差しで人を測らないでよ」
そう言い捨てると、心乃香は黒猫を睨んだ。不思議とこの超常現象に頭が馴染んで来ていた。いつもの自分の心が、自分に戻って来たと感じていた。
「言いたい事があるとすれば、どうして死者を蘇らせる、時間を戻すなんて超常現象に対して、『一部』なんて、みみっちい代価で済むのか、道理が分からないって事よ」
「代価は安く済むなら、安いだけいいと思うのが、人間の心理かと思ってたけど、キミ冷静だね、気に入ったよ」
心乃香はだんだん腹が立ってきた。この猫にもだが、こんなくだらない願い事をして、勝手に死んで、八神がその後始末を、結果的に自分に押し付けてきた事にだ。
大体後悔するなら、はじめから告白ドッキリなんて馬鹿な事を仕掛けてこなければ良かったのだ。
陰口を叩いた事までは百歩譲って、まだ許そう。私だって口には出さないが、心の中では色んな人の陰口を叩いてる。誰だってそうだろう。八神が告白ドッキリを仕掛けて来なかったら、あの陰口の事は心の奥にしまって、忘れようと思ってたのに。
でも、八神はそれを実行してきた。私を笑者にする為に。それが心乃香には、どうしても許せなかった。
「気に入ったんなら、今度は上手くやりなさいよ。失敗したら……許さないわ」
「本当にいいの? 怖くないの?」
心乃香は黙って頷いた。
本当は怖い。と言うか、腹だたしい。1ミリだって、八神の為に代償なんて支払いたくない。だけど、このまま私の中で八神が永遠になるなんて、もっと許せない――
「じゃあ、いっくよー!」
黒猫がそう叫ぶと、黒猫の大きく開いた目がカッと光った。あまりの眩しさに、心乃香は思わず目を瞑った。
その瞬間、八神の憎たらしい姿が朧げに前方に見えた。それを必死に追いかける。
『死んで逃げる気⁈ 卑怯者!』
心乃香はその八神の幻影に、そう第一声を投げかけた。
つづく
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