どうしてもわかりあえない人たち

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 その言葉に、場の空気が張りつめた。事務員の顔は青ざめ、何も言おうとしない。 「それ以外の目的はございません。できればもう少し協力していただきたいのですが……」  門を通っていく学生たちはもう、三美神に見向きもせず中へ入っていく。事務員は哲から目をそらした。  誰もが、哲の話に関わりたがらない。 「この規模の大学であの人数がいなくなるのはどう考えても異常です。いなくなった学生がみんな、学則を守っていないような子だったという点も、不審だとは思いませんか?」 「天罰ですわ」  事務員は、勝ち誇ったように笑う。 「なぜ、そうお思いに?」 「……はやくお帰りください。二度とここに近付かないで。あなたがたに協力する筋合いはございませんので! 行きましょう、シスター」  事務員はシスターの手を取り、礼拝堂のほうへ向かっていく。その際、シスターは振り向き、三美神に申し訳なさそうに頭を下げた。  二人の姿が見えなくなったあと、和也が口を開く。 「ごめん。兄さんに謝らせるつもりは、なかったんだけど」  先ほどとは打って変わり、和也は眉尻を下げていた。哲は首を振る。 「いや、いい。おまえがつっかかっていったのは想定内だ。ああいうのは嫌いだろ?」
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