6人が本棚に入れています
本棚に追加
高校生
やがて高校生になったあたしたちは、同じ高校に通っていたけれど距離は少し離れてしまった気がする。浩太は男友だちと、あたしは女の子同士で過ごすことが増えて、浩太と話をする機会は減っていた。
だから、決めた。
『今年のバレンタインに、浩太に告白する』
そう決意してからは浩太と顔を合わせても緊張でいつもどおりに話もできなかった。毎年チョコはあげているし、たぶん浩太もあたしの気持ちには気付いてる。毎朝、駅までの道のりを一緒に歩く時間を浩太も受け入れてくれてるから。いつも浩太が家を出てくるのをあたしが待っているけれど、遅れたときには浩太が待っていてくれてるもの。
だけどあたしは、それだけじゃ足りない。となりを歩くだけじゃなくて、手を繋いで歩きたい。駅までの間だけじゃなくて、休みの日にも会いたい。浩太の、彼女になりたい。
だから、今年はチョコと一緒にあたしの気持ちも浩太にあげる。ぜんぶぜんぶあげるから、お願い、受け取って。
最初のコメントを投稿しよう!