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社食で相談
優絵は、同期の谷町和佳奈と社食に来ていた。
本日の日替り定食は、焼き魚定食を選んだ。二人窓際のカウンター席に横並び席に座った。対面に座るより話し易くて、優絵は密かに気に入ってる。
「ねぇ、和佳奈はさぁどれくらい残業してる?」
『特に忙しい時期じゃなければ、殆ど定時で帰れるけど?』
「やはり、普通はそうだよね?」
思わず溜め息をつく。
『優絵、未だあの女の尻拭いしてるの?』
「あの女」最早あの先輩は和佳奈に名前でさえ呼んで貰えない。
「うん、昨日だってたんまりと。どうしたらこんなに溜められるのかって位に」
『ハッキリ言ってやりなよ、自分の仕事は自分でやれって!』
「私だってガツンと言ってやりたいしハッキリ断りたいよ。でも母親が入院してると言われるとね」
「本当に入院してんの?母親」
「ううん後で判っんただけどね、昨日は合コンだったみたい」
『はあっ、有り得ないっしょ。ホント嫌な女!いっつも、給湯室で同期と油売ってて!何しに会社来てるんだか!男漁りか!お喋りか!仕事しろ!あれで私達より給料いいなんてムカつく!』
「でも、断ったらどんな悪口言われるか分かんないし報復だって恐い。同じ課で無ければ良かったんだけど。こうなったら彼女が異動するか私が異動するかしか方法がないんだよ、もう」
『あの女なら寿退社と言う手もあるか』
「まぁ合コンが好きな事は確かよ寿退社する為にハイスペックな男を見つけたいみたいだから。でもさ、あの女に引っ掛かる男の人が気の
毒だね。定時前の化粧直しには特に余念が無くてたっぷり時間を掛けてる。給湯室とトイレ時間合わせたら凄いかも知れない」
『あんな女に引っ掛かる男も悪いのよ。自分が仕事しない無能な女の癖に相手には高望みするとはホント呆れる。同じ会社じゃ無ければ本性だって判らないかもね。残業だって私なら嫌がらせされても断わる方を選ぶ』
和佳奈はキッパリ言い切った!
「私の今の悩みは、彼女だけなんだ、もう毎日憂鬱だよ……和佳奈さまってば!
そう言って縋り着いた……
『私もなんか良いアイディアが有るか考えて見るよ、ドンマイだよ優絵』
そう言って和佳奈は、私の肩をポンポン叩いた。心強い同期だ。
本当に有難いよ和佳奈の存在は。
何時も私に勇気をくれるから。
私が和佳奈みたいな性格だったらこんなに悩まなかったよなぁ……。
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