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愛花様····私にだって好みの男性像というものがあります
その場にいた全員が愛花様に注目します。一体どうしたのでしょうか?
「あ···ぁの、私···私はまだここに来て少ししか経ってませんし、ソエル様に一目惚れしたのは確かですけど····っ!」
·······一目惚れだと?
「こんな冴えない男なのか女なのかよく分からない見た目のソエルだなんて甘い名前の殿下に一目惚れですって!?」
「レラジュちゃん。お口の中にセメント詰めようか?」
しれっと名付けた陛下をディスる私にそろそろお父様が私に殺人警告をしてきましたわ。
「ソエル様は私から見てもカッコイイ人です!でもまだ会ったばかりなのに婚約なんて···しかも私はここの世界の人間じゃないし····」
王妃教育なんて受けていない。
彼女の声は段々と小さくなっていきました。
知らない土地で本人の意思関係なくトントン拍子に話が進めば不安になっても仕方ありませんわ。
「愛花様···大丈夫ですわ」
愛花様を元の世界に戻す事は私にもやろうと思えばできます(ファンタジー補正で)。
とある地獄の王ハーデスの妻、ペルセポネも一年の三分の二は地獄に居ないと言うではありませんか。
それに王妃教育なんて私もしたかどうかなんて覚えておりません。
里帰りはいつでも出来るようにしてあげれますし、何よりまずはお互いの親睦を深めましょう。
「私と♡」
「いや、違う!!」
殿下との親睦なんて1日で充分でしょ?
「····ぁ、でも···っ」
殿下と話している時にどうやら私の話がよく出ている事を愛花様は仰られます。
私の話をしている時の殿下はとても楽しそうでまるで····
「レラジュ様の事が好きなのかなって····」
「······
は?
キモ·····」
あら、失敬。思わず本音が出てしまいましたわ。
「ほらァァ!だから此奴こんな奴なんだってぇええ!!」
そこで私がときめくだなんて思ったら大間違いです。寧ろドン引いて殿下に馬糞を投げつけてもきっと不敬罪に値しないと思うくらい投げつけたいです。
なんならゴリラの野糞でも良いです。
「お父様!動物園からゴリラの野糞を大量に持ってきてくださいまし!」
「陛下!この馬鹿娘死刑にしてください!その代わり他の者達はどうか···っ··!どうかお助け下さい!!」
お父様、凄い勢いで頭下げてますが、陛下は床で笑い転げておりますわよ。
とにかく私は愛花様に大事な事を伝えなければなりません。
「愛花様·····私の好みの男性は」
片手で30t以上の物を持つ事が出来る金剛力士像と橋〇環奈を掛け合わせた顔で時速240キロのスピードで走る事の出来る体重200kgのゴリマッチョです。
「そんな人間いねぇよ!!」
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