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少子高齢化社会の日本において、高齢者のマーケット市場はとてつもなくでかい。確実に利益を上げるなら高齢者をターゲットにしたビジネス展開が成功のカギを握る。
時代も変わり、スマートフォンを所持しているお年寄りも増えてきた。さらには生活様式の変化により自宅にいる時間も増えている。一攫千金を狙うなら、高齢者市場で俺の技能をフル活用だ!
お年寄りの中でもスマホを所持している人をターゲットにしよう。なぜなら俺の技能はその性質上、通話したまま移動できた方がパフォーマンスは上がるからだ。
大きな夢と希望を抱き、期待に胸を膨らませている俺はヒロシ。今年の五月で三十二歳になる。大企業で活躍している同級生もいるというのに、俺は毎日バイト生活。ぎりぎりアウトだろっ、てな暮らしを送っている。
だから、より充実した環境を求め、より豊かな生活を手に入れるため、そして人生を変えるために俺は新しいことに挑戦するんだ!
今一度、自分の技能をおさらいしておくとするか。大学ノートを開き、先頭行の罫線に沿って鉛筆を滑らせた。
1.コツコツと飽きることなく地道な作業ができる。
2.人とのコミュニケーションが得意。
3.会話の最中に相手の心理を読み解き、その場に相応しいワードを提供できる。
4.電話のように声だけだとしても、すぐに信頼してもらえる。
こうして眺めてみると、もっとも自分が得意とするのはコミュ力なんだな、と改めて思った。これを活かした仕事がいいな。ターゲット市場は高齢者にしたが、お年寄りの社会課題を解決しなければ市場ニーズに応えられない。
現代社会において高齢者が抱える課題といえば、『身体的にも、頭脳的にも、年齢が故に出来ることが減ってしまっているに違いない。その上、人とのコミュニケーションはIT化され、Z世代のようには当然振る舞えない。そんな状況の中で、社会から疎外され孤独を感じている』ことなんじゃないか?
そう仮定すると、例えば困っている人をお年寄り自身が助けることで、自尊心が高まり生きがいを感じてもらえたら社会貢献ができるんじゃないだろうか。
しばらく考えてみたけど、俺の能力に最も適した仕事は一つしか思いつかないな。日本のお年寄り人口は今や3617万人。この方法なら社会的価値も高いし、これだけの人がイキイキとした笑顔になれば、きっと日本全体がイキイキするに違いない。
俺の能力を活かせるサービスといえばこれしかない!
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