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 電話で訊いた服装なら、間違いなくすぐにわかるはずだ。駅に到着し、噴水へ向かった。  小さな駅だが、噴水前で待っている人物は三人いた。サラリーマン風の男が二人。その間に奇抜な服装のお年寄りがいた。  本当に電話で訊いたままの服装だった。俺はその女性に話しかけた。   「おばあちゃん?」 「ゆっちゃんか? 随分大きくなったねぇ」 「う、うん。久しぶりだね、おばあちゃん。それで、お金は用意できた?」 「あるとも、あるとも」  そう言って、ハンドバックから分厚い封筒を取り出し俺に手渡した。 (よし! こんなに上手くいくとは。初めてにしては上出来だったな。これは俺の天職かもしれねぇ)  突然、後ろから肩を掴まれた。 「残念だったな」  振り返ると両隣にいたサラリーマン風の男たちだ。 「誰だよ?」 「警察だ。詐欺罪で現行犯逮捕だ」 「え!」
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