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 そんなばかな! どうして警察が待ち構えていたんだ? まさかこの婆さん、途中からオレオレ詐欺だって気付いていたのか。しかもそれを悟られないように演技をしていたのだとしたら──。  警察に手首と肩を掴まれ動けない俺は、婆さんの方へ顔だけむけ訊いた。 「いつから分かってたんだ?」 「ゆっちゃんは、ゆり子。女の子だよ。それにまだ一歳二ヵ月、会話なんてできやしない。あんたはどこのゆっちゃんだい?」 「最初から……分かってたのか。俺を騙したんだな!」 「あたしゃ騙してなんかないよ。お前さんが早合点したんじゃないか。そもそも騙したのはお前さんのほうだろ?」 「畜生! 俺の最初の顧客がこんなにも狡猾で、いとも簡単に人を騙せる能力を持っていたなんて」
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