桜と結びついた恋

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「ベルトを触られたあたりからです」 ばれてしまって恥ずかしく真澄は頬が熱くなる。もう止めようと思った真澄の手を隆太が引いた。  じっと真澄を見つめてくる。まだ夢の中にいるような瞳。  真澄は隆太の肩にキスして花びらを咥えた。そのまま風に飛ばそうとしたが隆太が手を伸ばす。花びらを渡すと隆太はそれを摘んで愛おしそうに眺めている。  胸元の花びらを落とす。くすぐったそうに身を捩った隆太の鎖骨にまたしても花びらがつく。鎖骨にキスして花びらを外す。汗ばむ首筋は唇をしっかり使わないと花びらを取れなかった。  頬に新たに落ちた花びらを咥える。 「きりがないんじゃない?」 真澄は隆太に何度キスしたか分からない。覆いかぶさる体勢にも少しだけ疲れてきた。 「今日はどこへ行く予定でしたっけ」 気怠そうな顔と声で目を擦りながら隆太が言う。 「特に決めていなかったよ」 まだ寝ぼけているのか分からないが隆太は微笑んだ。 「それならもう少しここにいましょう」 隆太が手を伸ばし、向かい合って座るよう促してきた。隆太に髪にキスされて真澄はたじろぐ。  真澄の真似をして隆太は花びらを咥える。  そのまま隆太の唇が真澄の首筋に。慌てて辺りを見回したが誰もいない。花びらが溜まるスカートを丁寧に撫でる。  隆太がこんなに甘えてくるのは珍しい。もしかしたらまだ寝ぼけているのかもしれない。  唇についた桜の花びらを取ってもなお、キスをする。  淡い青の空を染める桜色が二人を周りから隠す。柔らかな陽の光が肌を温める。  真澄も隆太と一緒に寝惚ける事にした。
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