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実はその後の事はよく覚えていない。
食事でもどうかと真澄に誘われた。ファミレスでごめんねと謝られ、いえそんなと首を振ったのは覚えている。
どういうわけだか次回の誘いもあり、三回目の食事の際の別れ際に映画に誘われた。真澄が選んだのは恋愛ものだった。こういうのが好きなのかと新鮮に思った覚えがある。
その次のデートは今までの昼食とは違い夕食だった。隆太は緊張した。前日に床屋に行き、服はこの日のために買っておいたものを着た。
『よかったら、私とお付き合いしてくれる?』
隆太が大きく頷くと真澄はにっこり微笑んだ。その後真澄の部屋に誘われたが終電に間に合わないため断った。
その時の隆太は浮かれていた。
それから大学に入学し真澄との付き合いが一月近くなり、何かがおかしいと思い始めている。
高校時代の真澄と何かが違う。結びつかない。
良い変化ならいいけれど、良い変化と言えるのか隆太には分からなかった。
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