桜と結びついた恋

7/13
前へ
/13ページ
次へ
 実はその後の事はよく覚えていない。  食事でもどうかと真澄に誘われた。ファミレスでごめんねと謝られ、いえそんなと首を振ったのは覚えている。  どういうわけだか次回の誘いもあり、三回目の食事の際の別れ際に映画に誘われた。真澄が選んだのは恋愛ものだった。こういうのが好きなのかと新鮮に思った覚えがある。  その次のデートは今までの昼食とは違い夕食だった。隆太は緊張した。前日に床屋に行き、服はこの日のために買っておいたものを着た。 『よかったら、私とお付き合いしてくれる?』 隆太が大きく頷くと真澄はにっこり微笑んだ。その後真澄の部屋に誘われたが終電に間に合わないため断った。  その時の隆太は浮かれていた。  それから大学に入学し真澄との付き合いが一月近くなり、何かがおかしいと思い始めている。  高校時代の真澄と何かが違う。結びつかない。  良い変化ならいいけれど、良い変化と言えるのか隆太には分からなかった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加