(二)

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 ジョージたちが乗るジーメン・ダンセカー号は小型で小回りが効く、運動性能の高い宇宙船で、速度もそれなりに速いはずであった。対してエミリア・マーチン号は最新の船であるとはいえ、旅客船だ。船体が大きく、航行性能もそう良くないようにジョージは思った。しかし、実際にはジョージらの船はそんな大型船にゆっくりとではあるが、着実に追い越されていった。  この妙な競争にあまり興味のなかったジョージは、無邪気に手を振る友人を、半ばあきれ顔で見ながら、船の運動性能は決して負けていないにもかかわらず追い抜かれていくことにイマイチ釈然としないものを感じていた。  エミリア嬢自身の名前を冠した船が見えなくなるまで手を振っていたシッコは「さあ、俺たちも早く行こうぜ!」と気合い十分にジョージの方を見た。 (続く)
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