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ぐっと息を飲み込もうとすれば、喉で空回ってうまく飲み込めない。
「じゃあ、なに、福田くんは私なんかを好きだって言うの?」
「そりゃあ、好きですよ。立石さんみたいな、情に熱くて、りみみたいなわがままにも付き合える優しい人」
「みたいなって言わないで」
「りみを崇拝してるのは、ちょっとビビったけどな」
なんてことないことのように、あははと笑い声を上げる福田くんを恨めしく見つめる。目尻の皺が、やっぱり好きで。キラキラ輝いてしまってるし、りみちゃんの彼氏という遠慮する理由が無くなったらすとんっと胸に好きが落ち着いた。
「好きだよ、私も」
「だろうな」
「なに、その言い方」
「見てれば分かるって。ってことで、今日から恋人な」
するりと自然に握りしめられた右手がやけに熱い。思い描いてた恋よりも、熱さで頭がおかしくなりそうだ。
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