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手を繋いでコンビニから戻ってきた私たちを見て、りみちゃんが目を細める。こんなに嬉しそうな顔、久しぶりに見た気がした。
「でも残念、私が居る時は私の晴だから、海斗は寂しく一人でアイスでも食べてな」
しっしっ、と海斗くんを手で追い払うふりをして、りみちゃんは私に抱きつく。りみちゃんの甘い香りと柔らかい肌が触れて、海斗くんと手を繋いだ時くらい熱が上がる。
「俺と手を繋いだ時より顔赤くね?」
「晴は私のことが大好きだから、当たり前でしょ。どんまい」
「ほんっとそう言うとこ性格悪いぞ、りみ」
「私、可愛いので〜! 晴だってそう言ってくれるよ」
「う、うん、りみちゃんは可愛いよ、すごく可愛い。とびっきり可愛いよ」
りみちゃんの細い腕が私の腰に巻かれたまま、身動きが取れない。それでも、目一杯思いつく限り、りみちゃんのことを褒めれば海斗くんが拗ねた顔をして目線を逸らす。
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