きらめいて、恋

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 プールの水飛沫が上がるたびに、心が音を立てて弾ける。 「立石もこっちこいよ」  水に濡れた福田くんは、眩しそうに目を細めて手を差し伸べている。福田くんの顔に水を掛けたのは、りみちゃんだった。 「よそ見してる、海斗が悪いんだよ」  ポニーテールを揺らして、私と福田くんを交互に見つめる。りみちゃんは、可愛い。私の憧れの人であり、親友だ。だから、今ときめいたことは無かったことにしなくちゃいけない。  福田くんはりみちゃんの彼氏だから。  好きになってはいけない。そう思えば思うほど、福田くんはキラキラと輝いて目に入る。
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