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そして、セイリーンはこう尋ねて来た。
「そ、その。これからどうする?怖い目に遭って、もうこんな職場で働きたくないと思っていたりしない?もし、そうなら確か知り合いが待遇の良い条件でメイドを雇いたいって言っていたから、そっちを紹介してもいいけれど…。」
「えっと。ここを辞めてセイリーンと付き合いのある人のお家で働く気はあるかって事?」
ルーエは驚いて聞くと、彼は頷いた。
「う、うん。俺としては好意を持っていると言うのを差し引いても、君は優秀なメイドだからこのまま働いてくれたら助かるんだけれど…。こう言うのって、無理に引き留めても良くないだろう?」
セイリーンにそう言われて、彼女は少し考えてから言った。
「もうあんな化け物に襲われるなんて事はないのよね?」
「う、うん。もう結界を張り直したから…。それに、明日は本職の人を呼んで、万が一危害を加えるような幽霊や妖精に侵入されても無力化するような魔方陣を刻み込んでもらうから、大丈夫だと思うよ。」
「それなら、このままこの屋敷で働き続ける事が出来るわ。私は今のこの職場が結構気に入っていたの。」
すると、彼は「そ、そう。」と言って照れたような表情をした。
ふと、ルーエはそんなセイリーンに聞いてみたい事が出来た。
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