突然の告白とその返事

6/6
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/112ページ
「セイリーンは私とこれからどうなりたいの?恋人同士になりたいと思っているの?」 ルーエがそう聞くと、セイリーンは顔を真っ赤にして慌て始めた。 「こ、恋人同士…。それは恋人になれるならなりたいけれど…。」 「そう。前にも言ったけれど、私はあなたに好かれているのは悪い気はしない。でも、私達はお互いの事を全然知らないでしょう?だから、まずはお友達から始めない?それが嫌なら、」 「い、嫌じゃないよ!それでいい!少なくとも俺はもっと君の事を知りたいと思っているし。」 彼が勢い良くそう言うと、彼女はクスッと笑った。 「案外、私に幻滅するかも知れないわよ。今だって普段メイドとして働いている時とは結構違うでしょう?働いている時は頑張って品よく振舞っていたけれど、本当は結構ガサツなのよ。って、ごめんなさい。今更だけれど、雇い主であるあなたをずっと呼び捨てにしているし、タメ口で話しているわね。」 思わず、ルーエが口元を抑えると、セイリーンは首を振った。 「いや、それは別に良いよ。少し君の素顔を知れたみたいで嬉しかったし…。あ、あの。きっと幻滅なんてしないよ。メイドとして頑張って働いている君も、そうじゃない君も、多分どっちも素敵だって思うから。」 彼は一呼吸置くと、手を差し出してこう言った。 「その。これから、よろしく。」 彼女はその手を取って「ええ。よろしく。」と言いながらも、心の中で(私は一緒に過ごす内に、この人の事を好きになるかも知れない。)と何故か思ったのだった。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!