やけに着飾った挙動不審な男

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「え、えっと。ほら、君がいるのにだらしない服装をしているわけにはいかないと思って。半分育て親みたいだった人も屋敷の中に女性がいる時は、きちんとした格好をしなさいって言っていたし…。へ、変だった?」 そう言われてルーエはびっくりしてしまった。 「変ではありません。とてもよく似合っていて、王子様や貴族のようです。セイリーン様は顔立ちが綺麗ですし、どこか上品な雰囲気がありますもの。」 「え、」 彼は褒められ慣れていないのか、彼女にそう言われて動揺したかのように目を泳がせて、耳を赤くさせた。 そんなセイリーンの様子を見て、ルーエは内心(私ったら口説き文句みたいな事を言ってしまったんじゃ?)と動揺したが、それを押し隠して無理矢理言葉を続けた。 「どうか私の事は気になさらず、好きな格好をして下さい。セイリーン様に家でくつろいでくれたら、私も嬉しいですから。」 「わ、わかった。それじゃあ、明日から楽な格好をさせてもらうから。」 彼はまだ赤みの引かない耳のままでオロオロとそう言ってから、「も、もう暗くなっているから気を付けて帰った方が良いよ。」と続けてくれた。 ルーエはそんな彼の言葉に「ええ。気を付けて帰ります!また、明日。」と言って、そのまま屋敷を出て行った。
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