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怪しい男からの紹介
その女性は酒場のカウンター席でちびちびとお酒を飲みながら暗いオーラを撒き散らしていた。年はハタチそこそこと言った所だろうか。肩に付く程の金色の髪とソバカスが印象的な中々可愛らしい娘である。
「ルーエちゃん。一体、どうしたんだい。そんなに暗い顔をして。」
太っちょの酒場の店主の旦那は、彼女に心配そうな顔で話しかけた。
彼はその女性ー、ルーエの事を世間知らずで危なっかしいけれど、気立ては良い娘だと思って何処か娘のように気に掛けていた。
彼女はその茶色の目を潤ませながら、「どうもこうもないわ!勤めていた宿屋が潰れてしまったのよ!」と自棄になったように言いながら、一気にお酒を飲み下した。
「ああ、あそこの宿屋が潰れたのか。まあ、元々お客さんは少なかったからね。っていう事は、ルーエちゃんは今は無職かい?」
「そうよ。貯めていたお金も段々少なくなっているし…。親父さん、私をここで雇ってよ。」
「うーん。ルーエちゃんのお願いなら聞いてあげたいけれど、ウチの酒場も他人を雇うような余裕はないんだよね。何か良い仕事はないか、知り合いに声を掛けてみるよ。」
「ありがとう。親父さん、大好きよ。後30歳ぐらい若かったら、プロポーズしていたと思う。」
「おやおや、お世辞が上手くなったね。」
そう酒場の旦那は言うと他の客の相手をする為、彼女の元を離れて行った。
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