夢を叶えろ6(高校冬〜高校3年春

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高校2年の秋の東京都大会で優勝した心城学園は、春の選抜大会で東京代表として選ばれて甲子園出場を果たした。 春の選抜出場が決まり春休みまでに更なるレベルアップをするために日々の練習に励む。 夏の甲子園は予選が終わると直ぐに甲子園が始まるのだが、同じ甲子園での大会でも大きく異なる大会形式である。 12月に入ると寒さが本格的に襲ってきて、この時期恒例の華やかな装飾が街を埋め尽くす。 しかし恋人がいない僕には、過去を思い出すイベントであり、心と肌の寒さが身に染みる。 恋人がいない、いつもの3人組が華やかな街並みを寒さに耐えて帰るのである。 去年はスカイツリーの下で莉乃と甘い一時を過ごしたのに・・・ 今年も誘ってもいいのだろうか? 僕には莉乃しかいないのだから、奈緒のために別れるなんて、そんな事をしなくても良いと思うのだが でも莉乃に引け目を感じさせたままでいるのも莉乃が可哀想だし、しょうがないか 「はあ」 肩を落とす 「どうしたんだ勝利」 僕の反応を見て耕太が話し掛けてくる 「いや何でもないよ」 「もしかしてクリスマスか?」 耕太に隠し事は出来ない 「あ~そうだよ。今年は一人なんだよ」 「ば~か、俺なんて今まで恋人と過ごした事なんて無いんだぞ。なあ奈緒」 「何で私にフルのよ!」 奈緒が怒ると耕太が「スマンスマン」と謝罪する 「でもね、私は今年のクリスマス、予定があるのよ」 「えっ?誰と過ごすんだよ」 耕太が奈緒に質問する 「教えない」 「どうせ女同士でカラオケでも行くんだろ」 僕がからかう様に言ったが、いつもムキになって反論する でも、冷静な口調だ 「違うわよ」 薄っすらと笑う 「じゃあ、誰と過ごすか言ってみろよ!」 「何で命令口調なのよ。もう絶対に言わない」 耕太も奈緒が誰と過ごすか気になって落ち着かない様子だ。 電車を降りてマンションまで歩いている時も、同じ質問をするが教えてくれない それぞれのマンションの中間時点でいつものように別れる。 「耕太」 奈緒が耕太を呼ぶと、耕太の耳元に奈緒が口を近づけてコソコソと何かを伝えた。 えっ 「おい、俺にも教えろよ」 しかし奈緒は走ってマンションに入って行った。 耕太が僕を見て、微笑みながら話し掛けてくる 「奈緒はマネーシャー達とクリスマス会をするんだって」 「何だよ。そんな事をだろうと思ったけど、最後までもったいぶりやがって」 「勝利の言った事が当っていたから言えなかったんだろ」 「そんな見え張って・・・・ところでマネージャーって流さんだよね?何でマネージャー達なんて回りくどい事を言っているんだ?」 「港もマネージャーだからだろ」 「あ~そうか、港がクリスマス会なんて想像つかないな」 「まあ確かにな。もしかして流さんの事が好きなのかも知れないな」 そんな会話をして、僕と耕太も別れて家に帰って行った・ 家に着くと莉乃からメールが来た。 「今年のクリスマスは予定ある?」 これはもしかして 「無いよ。莉乃は?」 「私も」 「今年はイブが月曜日だけど冬休みだから、勝利は練習で忙しいだろうから、勝利の時間に合わせるわ」 「多分24日は午後だけど、25日は午前中の練習だと思う」 「では25日の午後に会えますか?」 当たり前である 「うん。絶対に会う」 「よかった」 莉乃は何を心配しているのか? 僕には莉乃しかいないのに・・・・ 結局25日の13時に心城学園の校門前で待ち合わせする事にした 今年も莉乃と過ごせる また・・・・ 去年のクリスマスを思い出して、頬が緩んだ
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