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莉乃に電話する。
あ~ドキドキする。
告白とは違うドキドキ感が胸を襲う
「あっ勝利?どうしたの」
いきなり莉乃の声に動揺してしまう。
あまりにも明るい声が聞こえて、一気に鼓動が早くなるのが分かる。
「り、りの」
声が震えてしまう
何かを察知したのか、さっきまでの莉乃の声のトーンが下がる
「どうしたの?」
優しく語り掛ける様に莉乃が聞いてきた。
「実は・・・・・」
僕は全てを話した
すぐに莉乃の明るい声が聞こえた
「もう驚かせないで、もっと深刻な話しだと思ったわ」
「いや深刻な話だよ」
「でも勝利がいけないんでしょ?」
「うん」
「補習のテストがダメだったらマズイんでしょ?」
「うん」
「じゃあ、私が勝利に勉強を教えてあげる」
「えっ?」
「24日は野球も午後だし、補習も午後だよね」
「じゃあ朝早く勝利の家に行って、勉強を教えてあげる」
予想外の展開だ
嬉しいような嬉しくないような
「べ、勉強は自分でやるからいいよ」
「だ~め、自分でやったらダメだったんでしょ」
「でも、さすがに恥ずかしいよ」
「なんで?」
「僕が馬鹿だってバレるから」
「大丈夫よ。分かっているから」
何気ない言葉だが、さすがにちょっと落ち込む
「ねっいいでしょ?」
僕は素直に頷く
「うん。お願いします」
しばらくして父が家に帰ってきて、24日の事を話した
「それなら、泊まっていけばいいのに」
「何を言っているの?」
「勝利の勉強が終ったら、莉乃ちゃんとクリスマスケーキ作りたいわ。夜遅くなりそうだから泊まるつもりで来ればいいのよ」
「だ、だめだよ。ダメに決まってるだろ!」
「私が社長に電話するわ」
「や、やめろよ」
「いいの、いいの」
本当に電話を掛ける
「うん分かりました。そちらも久しぶりの夫婦で楽しんでくださいね」
この話の流れは
「OKでたわよ」
「マジか!」
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