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翌日
いつもの待ち合わせ場所で待っていると耕太がやってくる
「どうした勝利?やけに嬉しそうだな」
「おう、なんと24日、莉乃が家に泊まる事になったんだよ」
「えっ泊まる?」
「母さんが莉乃の親に電話して泊まる事になった」
「さすが、勝利の母ちゃんは凄いな」
そこに奈緒がやってくる
「どうしたの?朝から騒いで」
「莉乃が24日泊まる事になったんだ」
「えっ莉乃ちゃんが?」
「うん」
「私も遊びに行きたいけど、私達も用事があるからな~」
例のマネージャー同士のクリスマス会の事だろう
「バカ、空気を読めよ、空気を」
「そうだね。勝利も頑張りなよ」
「うん?」
違和感を感じる。確か勝利もと言ったよな?
「も」って何だ?
そんな違和感を感じたまま学校へ向かった。
普段は気にならないけど、やけに港が奈緒と談笑している姿が目に入る
「あんなに仲が良かったか?」
「耕太、やけに奈緒と港の仲が良くねえか?」
「勝利もそう思うか?俺もここ何日かそう感じていたんだよ」
そして12月24日を迎える
午後から練習だったが補習のため、練習には参加しない。
そして朝6時
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る
「莉乃だ」
僕は真っ先に玄関に向かう
ドアを開けると莉乃の姿が目に入る
「おはよう」
これが勉強で無ければもっといいのだが、朝から莉乃の顔を見れるなんて不思議な感じだ
「さあ、入って」
莉乃が靴を脱いで家に入る
リビングに誘導して
「何を飲む?」
「今日は勉強を教えに来たのよ。早速勉強始めましょう」
「え~」
「そんな困った顔してもダメよ。留年なんて嫌でしょ?」
「うん」
「じゃあ勉強しましょう」
「うん」
母さんが楽しそうに追い打ちを掛ける
「そうよ。勝利は馬鹿なんだから、ちゃんと教えて貰いなさいよ」
「自分の息子の事を馬鹿なんて呼ぶなよ」
「しょうがないじゃない。馬鹿なんだから」
「莉乃、行こう」
莉乃の手を引っ張り自分の部屋に入る
何か、僕の部屋に莉乃が居るなんて不思議だ
でも・・・
勉強なんだよな
勉強が始まり、莉乃が丁寧に分からない事を教えてくれる
凄い、本当に分かりやすい
「莉乃、教え方上手いね」
「う~ん。いつも美希に勉強を教えていたからかな?」
納得
二人の時間はあっという間に進む。
午後の練習時間と補習時間の開始時間が違うので、耕太と奈緒とは別の時間に心城学園に向かう事になる。
僕が補習している間に母と莉乃がケーキの材料を買う事になっているので、自宅から学校までは車で送ってくれる事になった。
ただ帰りは一人で帰るので、いつも3人で帰る道を一人で帰る事になる。
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