夢を叶えろ6(高校冬〜高校3年春

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12月23日 莉乃 明日はクリスマスイブ、お揃いのブレスレットを見ながら、去年のスカイツリーでの出来事を思い出す。 夏に別れて半年も経っていない こんなにも時が長く感じるなんて・・・・ 今までも野球の練習が多くてデートは殆んど出来なかった 別れた今も状況は同じはずなのに、心にぽっかり穴が空いている様な感覚が続く 勝利に平等に選択してもらうつもりだったが、私の方が心が押し潰されそうである。 まだ4ヶ月しか経っていないけど・・・もういいかな もちろん、奈緒ちゃんより私の方が勝利を愛している自信はある。 同じ女性として、この愛情を小さい時から思い続けている奈緒ちゃんには積み重なる年数分負けている様に感じてしまう。 同情と言われれば同情なのかも知れない それだけ思い続けている女性を応援したくなるのは、誰でも思う感情だろう。ただ、その思われる人が勝利でなければ私も奈緒ちゃんを応援するだろう。 勝利は自分でも分かっていないが、常に奈緒ちゃんを意識している それが女性としてなのか、幼馴染としてなのか分からない 何とも思わない様にしようと思っているのだけど、勝利への愛情が深くなっていくにつれて感情が抑えられない自分が居る 凄く怖い事だけど、今回の選択をしなければいつまでも奈緒ちゃんの事を気にしてしまいそうで嫌だった。 もし勝利が奈緒ちゃんを選択したら・・・・ 冷静になろう、冷静になろう 取り乱さないように自分に言い聞かせる この悩みはどんどん膨らんでいく 球場で勝利の応援をしていてもベンチで奈緒ちゃんと話す勝利にヤキモチを焼いてしまう。 自分で作った環境なのに 情けない 自分を正当化したいだけ? そうなのかもしれない 嫌な人 どんどん気持ちがマイナス思考に進んでいく でも勝利と話しをするだけで、嫌な気持ちは消し飛んでしまう もう、そんな中途半端な気持ちは明日で終わらせよう 今度は私から勝利に告白しよう 12月24日 朝5時に家を出て、父の車で勝利の住むマンション前で車が停まる。 まだ日が出ていないので真っ暗で時刻はAM5:30 「莉乃、さすがに早過ぎるだろ?」 「うん」 「取り敢えず、お父さんにメールを送ってみるよ」 「もし、寝てたら可哀想だからいいよ」 勝利からメールが届く 「パパ、もう起きているみたい。6:00に行くって伝えたよ」 「そうか、じゃあもう少し車に居た方がいいよ」 「うん」 まだ日は登っていないので、辺りは真っ暗である。 マンションから出てくる人達の息は白く、外の寒さを物語っている。 今年のクリスマスイブは、この寒さを忘れるくらい暖かいイブになるのだろうか? 期待と不安を抱きながら車で時間まで過ごしたのであった。
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