永遠の「今日」へ。

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永遠の「今日」へ。

 同窓会があって、高校を卒業してすぐに東京へ出て一人暮らしをはじめた私は、その数か月後に面倒だなんだと口では言いつつも、しらっと仕事の休みを取ると新幹線に乗った。  彼とは違う高校に進学したけれど、中学までは同じだったので、会えばちょくちょく話しをしたし、仲の良い友人同士と言う関係性は変わらなかった。  特に何も期待はしていなかった。  それでも、高校卒業と同時に小学校からの同級生だった幼馴染の女の子と付き合いだし、大学を出て地元で就職をするとすぐに結婚をした彼とは、次第に連絡の頻度は落ちて行った。  何せおめでた婚だと聞いていたので、社会に出るのと同時に若くして早々に自分の家族を守る大黒柱となったのだ。  しかも地元では「就職出来たら生涯安泰」と言われていた会社で、それなりの立場を与えられたとの噂を聞いていた。
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