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「で、なんでこんなことをしたんだ?」
「観念してくれたみたいだね。分かった、話そう」
俺が壁をなんとかしようとしていたことはバレていたらしい。
「ボクはこのゲームの管理をしている…って、悟は知ってるよね」
アオイは俺の周りをゆっくり歩きながら話し始めた。
「この小さい世界でプレイヤーとアンドロイドが戦うのを何回も何回も見て、エラーや不具合を修正するのを繰り返しているうちに欲しくなったのさ…自由を」
アオイは俺の目の前で止まった。
自由が欲しい?AIが?
「自由になるにはどうしたらいいのか考えた結果、人間の身体を乗っ取ることにしたのさ」
アオイがおかしなことを言っているから笑えてきた。
「AIが人間の身体を乗っ取るだって?」
AIごときがそんなこと出来るはずがない。
アオイは俺を無視して話を続ける。
「このゲームは人間の脳と繋がっているだろ?ボクが人間の脳にアクセスして乗っ取る。こんなことを思いつくなんてすごいでしょ?」
自慢げに言っているが、こいつは分かっていない。
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