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「いつの間に俺の生体IDを盗んだんだ…」 「悟がここへ来るときにやったのさ」 アオイは少年の姿に戻り、透明の壁をノックしながら言った。 「悟は自分用のポッドで来るでしょ?だから特定は簡単だった。ポッドからここに来るまで約二秒かかる。その間にハッキング…といきたいところだけど、その時の情報処理で二秒かからないかもしれないから0.5秒でハッキング出来るようにしたんだ」 0.5秒だと…。 そんな短時間でハッキングしたのか。 「念入りに準備したんだな…」 「うん。万が一のことを考えて、対策しておくことが大事だからね」 聞き覚えがある…これは確か。 「悟がボクにいつも言っていたことだよ」 アオイは満面の笑みで言った。 俺の言ったことが、こんなところで役立ててしまうとは…。
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