訳あって、シングルマザーになりました――双子と私と御曹司

８．初めて

　蒼さんは、松山さんと伊吹さんに私のことを「婚約者」と紹介し、二人は祝福してくれた。

「おめでとう。小沢さん、蒼をよろしく」
「いつからお付き合いしてたの？　蒼、黙ってるから、わからなかった」
「半年くらい前」
「蒼の結婚はまだ先だと思ってたのに」

　伊吹さんは、ちょっと口を尖らせた。こういう表情も抜群の美しさだ。

「瑤子も結婚すれば？　選びたい放題だろう」

　松山さんが笑った。

「……寄ってくる男の人には、あまり興味がない。自分から手に入れる方が楽しい。そろそろ行かなくちゃ。小沢さん、お会いできて良かったです。松山、独立おめでとう。頑張ってね」

　男前な発言を残して伊吹さんが立ち去って間もなく、蒼さんと私も会場を後にした。

　そうして、私は蒼さんの部屋で抱かれたのだ。