23.入籍

1/5
前へ
/100ページ
次へ

23.入籍

 それからの日々は大忙しだった。  まず翌日。  私の仕事が終わると蒼さんが職場まで迎えに来てくれ、保育園に寄って双子を引き取り、それから連れて行かれたのは――。 「蒼様! 朋花様! この度はご結婚、おめでとうございます! お待ちしておりました! 双子ちゃんはベビーシッターがお預かりしますからね~」  銀座のMデパートの前には、いつかのように三宅さんが待っていた。後ろにはメイドさんのような制服を着た女性が二名。 「蒼さん、今日は何を――」 「指輪。とりあえずって言うのもあれだけど、朋花に変な男が寄ってこないよう、一日も早く身に付けて欲しい。正式な結婚指輪と婚約指輪はあとでゆっくり、な」 「えっ、いいですそんな、今日の結婚指輪だけで十分です」 「だめ。うんといいやつ、買ってやる」 「朋花様、楽しみにしてらしてください。私、すでに特別ルートであれこれ、見繕っておりますので!」  ……三宅さんの存在は、蒼さんの散財を促進している気がする。  そして指輪を買った後は。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4276人が本棚に入れています
本棚に追加