23.入籍

2/5
前へ
/100ページ
次へ
「朋花、今週の土曜、仕事は休みか?」 「はい」 「お母さんの都合、きいておいてくれる?」 「どうしてですか?」 「ご挨拶に決まってるだろ」 「あ……」 「結婚を許してもらわないと。もしお母さんの都合がよければ、日帰りで申し訳ないけど、双子も一緒に始発の便で発とうついでに戸籍謄本を取って、それで東京に戻って入籍する」  またも驚いてしまった。母に挨拶をして入籍。  当たり前のことなんだけど、自分には遠いことのように思っていたから、夢みたいだ。 「嫌だなんて言わないよな?」  私はぶんぶんと首を振った。  嬉しい。でも。 「蒼さんのご両親にもご挨拶しないと」 「後回しでいいよ。反対した前科があるし、うちの親に会うのは入籍してからだ」  そうして土曜日、私たちは新千歳に飛んだ。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4277人が本棚に入れています
本棚に追加