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思春期なのかもしれない。
あまりにあの家も庭も猫のフォークも、それから篠田さん自身も美しいから別世界のものだと思いたいだけかもしれない。
そして篠田さんと一緒にいると、いつのまにか自分の存在すらも美しく思えて穏やかなで心地よい。
そこまで考えてみて改めて「僕はこんなことを考えていたのか」と驚いた。
僕はインターネットで「刑事コロンボ」を調べてみた。
アメリカの刑事ドラマで「倒叙ミステリー」という犯人目線で描かれることで有名なシリーズものらしい。
フォークの由来は主人公を演じている俳優さんの名前のようだ。
さっきまではうだうだと考えていたくせに、早く篠田さんと会ってこのドラマの話をしたいと思った。
矛盾している。
雪が降った。
学校からの帰り道もいつもと空気が違う。
どんより湿った空。
違う世界みたい。
あれから篠田さんの家の前は通っていなかった。
どうしてるんだろう?
ちょうどその時、神様が僕の頭の中を覗いていたのかな?というタイミングで後ろから声をかけられる。
「こんにちは」
振り返ると、だいぶ後ろに自転車を引いて歩く篠田さんが見えた。
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