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春子は電車移動の最中しょっちゅう、母になんて声をかけたらいいかと私に尋ねてきた。
「そんなに気にしなくていい」と言うと、「あなた心配じゃないの? 自分の親なのに信じられない」と怒られた。
駅を降りると、学生の頃よく通った商店街が続いていた。
「懐かしいなあ、ちょっと寄っていこう」
懐かしの商店街はすっかりシャッターだらけになっていて、とびとびでほんの何店かだけが営業している状態だった。
「しばらく来ない間にこんなになっちゃってたのか。思い出が消えたみたいでちょっと悲しいな」
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