たこ焼き屋いらっしゃいませ

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 人の肩幅もないその「たこ焼き屋」にはもちろん店員が存在するはずもなく、唯一ボタンだけが取り付けられていた。  なるほど、ボタンは店員の呼び出しボタンか。  —ポチッ—  ボタンを押すと、そこに現れたのは店員ではなく一冊の本だった。  どういうことだ?  本を広げると、全ページがシールになっていた。  ページの真ん中に正方形のシールが一つあり「たこ焼き屋 いらっしゃいませ」と書かれている。 「これ、よくあるスクラッチみたいなやつじゃない? シールを剥がしたら『三等!5%引き』とかってクーポンがでてくるのよ」  そう言いながら春子がシールをめくる。
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