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私が物心ついたときからずっと、父は、私にはよくわからない持論を展開し、よくわからない理屈で生き、よくわからないタイミングで癇癪を起こし、暴言を吐いたり暴力をふるったりする人物だった。
例えば、某探偵漫画が原作のアニメで、テレビから「真実はいつも一つ」という台詞が聞こえると、父はきまって、真実は一つではない、と主張し始めた。
裁判は真実を明らかにするためのものではないのだ、とかなんとか。
毎回同じことを言っていた気がするけれど、その発言内容は私に理解できるものではなかった。
別によいだろう、真実は一つで。だいたい、漫画やアニメの決め台詞にいちいちごねるな。私はそう思っていた。
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