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それでも幼少期、私の中で父は「父」だった。
小さい頃、自分の家庭が世界の「常識」だと思うのは、珍しいことではないと思う。私も、他所の父親の素行や言動を知らなかったから、自分の父が「おかしい」とは思っていなかった。
しかも、幸か不幸か、父はことあるごとに私をほめた。その意図や真意を知ることは今でもできないけれど、ほめてくれる父を、私は嫌いではなかった。私は極めて従順な子どもだった。
けれど、それも少しずつ変わっていった。
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