散って、積もって、また咲いて

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中学1年の春、(たける)はチームのキャプテンとして、僕は副キャプテンとしてこれからチームを引っ張っていく予定だった。 だけどその日、僕らの運命は大きく変わった。 試合中に尊が相手選手と接触した後転倒、足を怪我したのだ。 「ちょっと捻っただけだって!」 尊はそう言っていたが、監督の判断により病院で診てもらうことに。 その結果、靭帯を痛めていることが分かった。 完全に治るまでには半年以上の入院、リハビリが必要だと告げられた。 「………わりぃ」 病院のベッドでうつむいたままボソッとつぶやく。 初めて聞いた、消え入るような尊の声。 こんなことになるなんて。あの尊が入院。これからチームはどうなる?誰が引っ張っていけばいい?それより目の前の尊が泣きそうな声をしている。なんて返せばいい?負けるな、落ち込むな?無理させてどうする。おまえの分まで頑張る?僕に変わりが務まるものか。待ってるから、応援してる、どれもありきたりで薄っぺらい言葉だ。尊には何が必要だ?僕に何ができる?何をしないといけない? 僕は何も返せないまま病室を後にした。
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